晴歩雨描

晴れた日は外に出て歩き、雨の日は部屋で絵を描く

野鳥撮影)カメラ(APS-C、フォーサーズ)高画素機、トリミング耐性比較。焦点距離400mm望遠レンズで比較。

風景写真等の写真はPC画面で見る限りは1000万画素もあれば十分だと思っている。

野鳥撮影においては、遠くの小鳥などを撮るケースも多く、大きくトリミングする必要が出てくる。

トリミング前提で考えると、画素数は多い方が良い。

大きなカメラは持てないので、カメラ+レンズで1kgぐらいにしたい。焦点距離は35mm判換算で600mmは必要。できれば800mm欲しい。焦点距離が短めでも、画素数が多ければトリミングでカバーできる。

現時点で販売されているAPS-C、フォーサーズカメラの各メーカー高画素機種は以下。

富士フイルムが、4020万画素で画素数が多い。キヤノンも3250万画素で続く。パナソニックがフォーサーズとして2521万画素で多い。

ニコン、OMDSは画素数が低い。

メーカー 機種 センサー
サイズ
画素数 記録画素数 質量(g) 望遠端
400mm
レンズ
望遠端
35mm判換算
質量(g) 質量
合計
キヤノン R7 APS-C (C) 3250万 6960×4640 612 RF100-400mm F5.6-8 640mm 635 1247
キヤノン R10 APS-C (C) 2420万 6000×4000 429 RF100-400mm F5.6-8 640mm 635 1064
ニコン Z 50 APS-C 2088万 5568×3712 450 NIKKOR Z 100-400mm f/4.5-5.6 600mm 1355 1805
ソニー α6700 APS-C 2600万 6192×4128 493 FE 100-400mm F4.5-5.6 600mm 1395 1888
ソニー α6700 APS-C 2600万 6192×4128 493 E 70-350mm F4.5-6.3 525mm 625 1118
富士フイルム X-T5 APS-C 4020万 7728×5152 557 XF100-400mmF4.5-5.6 600mm 1375 1932
パナソニック G9M2 4/3 2521万 5776×4336 658 LEICA 100-400mm/F4.0-6.3 800mm 985 1643
OMDS OM-1 4/3 2037万 5184×3888 599 M.ZUIKO 100-400mm F5.0-6.3 800mm 1120 1719

望遠端焦点距離400mmレンズで25m先の被写体を撮影したものを1200×1200でトリミングした画像で比較。

写真は「DOF simulator」のものをトリミングして利用。

R7(3250万画素)、X-T5(4020万画素)、G9M2(2521万画素)などの高画素機は、現在自分が使用しているR10(2420万画素)に比べてトリミング耐性が高い。

R10 (2420万)|R7 (3250万)|X-T5 (4020万)|G9M2 (2521万)

富士フイルム、キヤノンの高画素機なら、35mm判換算600mmや640mmでも、フォーサーズのG9M2に35mm判換算800mmを付けた写真に近いトリミング耐性がある。

OM-1は2037万画素と画素数が少ない。焦点距離400mmのレンズだとOM-1なら35mm版換算800mmになるが、キヤノンの35mm版換算640mmで撮影したものと比べてトリミング耐性は低い。R10よりは増しだが、R7にはトリミング耐性で負ける。

R10 (2420万)|R7 (3250万)|OM-1 (2037万)

ソニーには焦点距離400mmの軽量ズームレンズがないので、α6700に「E 70-350mm F4.5-6.3」を付けて、1200×1200にトリミングしてR10の400mmと比較してみた。やはり、350mmレンズではトリミング耐性が低い。

R10 (2420万)+400mm|α6700 (2600万)+350mm

センサーサイズ比較

焦点距離400mmのレンズでは、35mm判換算で以下の焦点距離になる。望遠効果ではフォーサーズが有利。

  • APS-C:600mm
  • APS-C [キヤノン]:640mm
  • フォーサーズ:800mm

フォーサーズの35mm判換算焦点距離は、APS-Cに対して、

  • フォーサーズ (800mm) / APS-C (600mm) = 1.33倍
  • フォーサーズ (800mm) / APS-C [キヤノン] (640mm)= 1.25倍

一方、APS-Cはセンサーサイズが大きいので、画素数を上げやすい。フォーサーズを1とした面積比率。

  • APS-C:1.657
  • APS-C [キヤノン]:1.477
  • フォーサーズ:1

APS-Cとフォーサーズではアスペクト比が違うが、単純計算では、APS-Cは対フォーサーズで、以下の画素数にすれば、フォーサーズと同等のトリミング耐性を得る。実焦点距離が同じレンズなら、35mm判換算焦点距離に関係なく、被写体を同等の画素数で撮ることができる。

  • APS-C:1.33 × 1.33 = フォーサーズの1.76倍の画素数
  • APS-C [キヤノン]:1.25 × 1.25 = フォーサーズの1.56倍の画素数

例として、G9M2の画素数を基準として、以下の画素数だと、ほぼ同等のトリミング耐性になる。

  • APS-C:4436万
  • APS-C [キヤノン]:3932万
  • フォーサーズ:2521万(G9M2の画素数)

富士フイルム「X-T5」が、4020万画素。キヤノン「R7」が3250万画素。上記数字に近づいている。ただ、富士フイルムには軽量な望遠レンズがない。

35mm判換算焦点距離ではフォーサーズが有利だが、センサーサイズの大きいAPS-Cの方が今後の画素数アップが望めるので、トリミング耐性についてはAPS-Cの方が有利になる可能性もある。

マイクロフォーサーズは望遠に強いと言われるが、画素数を考慮してトリミング耐性で比較すると、必ずしもそうとは言い切れない。