晴歩雨描

晴れた日は外に出て歩き、雨の日は部屋で絵を描く

アワガミインクジェットペーパー(AIJP)で水彩画を印刷してみる。

先日、水彩画をインクジェットプリンターで印刷してみた。銅版画用紙や和紙に印刷してみたが、インクジェットプリンター対応マット紙等に比べて色がくすんだ感じになった。
ただ、通常のインクジェットプリンター対応マット紙では水彩画の雰囲気が失われる。

アワガミファクトリーには、アワガミインクジェットペーパー(AIJP)というインクジェットプリント対応和紙があって、水彩画や版画の印刷に適しているということなので、サンプルを取り寄せて試してみた。

アワガミインクジェットペーパー(AIJP)のプリンタ設定方法によれば、エプソンのプリンタでは、ファインアートペーパー、画材用紙、フォトマット紙、スーパーファイン紙から選択とあって、印刷品質で「きれい」を選択とある。

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我が家のプリンタEP-808ABでは、用紙種類にファインアートペーパーと画材用紙の選択肢はない。スーパーファイン紙を選択すると、印刷品質は普通しか選択できない。フォトマット紙(きれい)、スーパーファイン紙(普通)で検証をする。

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アワガミインクジェットペーパー(AIJP)13種類を試してみた。今回A4用紙を4等分してA6で印刷。

印刷条件を先日と合わせるため、プリンターの色補正でコントラストと彩度を最大(25)に設定。

実際に印刷してみた結果は、先日の銅版画用紙「ペセソレイユ」や和紙に印刷したものよりは明るめに印刷された。しかし、インクジェット用紙「PLUSきれいなマット紙」ほどのクリアで鮮やかな印象にはならなかった。

プリンターの設定でスーパーファイン紙(普通)と、フォトマット紙(きれい)では、フォトマット紙(きれい)の方がきれいに印刷されるが、違いはそんなに大きくはない。

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水彩画風画像 オリジナル

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AIJP「竹和紙170g」設定:フォトマット紙、きれいで印刷

アワガミインクジェットペーパー(AIJP)13種類の印刷結果に大きな違いは出なかった。ただ、薄い紙は水彩画風の作品の印刷には適していないように思う。薄手の紙は木版画風の作品の印刷に適していると思う。

「竹和紙170g」と「いんべ厚口-白」が、厚みもあって紙がしっかりと固い感じで水彩の印刷に向いているように思う。

下の仕様および価格(2019/1/26現在)は間違っている可能性もあるので、アワガミファクトリーのホームページで要確認。

紙種 重量
(/m2)
厚さ 印象 色味 価格
(A4/20枚)
竹和紙170g 170g 0.35mm しっかり 2,500円
忌部(いんべ)厚口-白 125g 0.23mm しっかり 2,100円
楮厚口-白 110g 0.23mm   3,500円
竹和紙110g 110g 0.25mm   1,900円
楮厚口-生成 110g 0.23mm   生成 3,500円
三椏二層紙 95g 0.18mm   生成 4,300円
楮二層紙 90g 0.18mm   3,600円
忌部(いんべ)薄口-白 70g 0.15mm 薄い 1,750円
楮薄口-白 70g 0.16mm 薄い 3,000円
楮薄口-生成 70g 0.16mm 薄い 生成 3,000円
雲流薄口 55g 0.13mm 薄い 2,600円
群雲こうぞ-晒 42g 0.16mm 薄い 2,000円
群雲こうぞ-未晒 42g 0.16mm 薄い 2,000円

 

今回、銅版画用紙「ペセソレイユ」でも、プリンターの設定をスーパーファイン紙(普通)と、フォトマット紙(きれい)にして印刷してみた。結果的には、用紙種類「普通」にした時よりも明るめに印刷された。AIJP「竹和紙170g」と比べても違いはあまりなかった。プリンターの設定を写真用紙ライトでも試したが、暗めに印刷された。

ペセソレイユは、画材販売.jpで、560×760mmで486円。8等分するとA4より少し小さい190×280mm。原紙3枚を8等分すると24枚。190×280mmを24枚で1,458円。

インクジェットプリンター対応をうたっていない紙でも、プリンターの設定をスーパーファイン紙やフォトマット紙にして印刷すれば明るめにきれいに印刷できる場合がある。

元画像を画像編集ソフトJTrimで明るさ+50、コントラスト+50に補正し、プリンターの色補正ではコントラストや彩度を調整しない印刷も試した。全体的な明るさは同じ程度になったが、明るい色が白飛びしてしまった。

パソコンの液晶などのモニタ画面で見ている鮮やかな印象に近く印刷するためには、やはり、インクジェットプリンター対応のPLUS「きれいなマット紙」などの紙を使う必要がある。アワガミインクジェットペーパー(AIJP)のようにインクジェットプリンター対応をうたっていても、和紙である限りは通常のマット紙のように鮮やかにはならない。

水彩作品の印刷で、鮮やかさが一番重要ということにはならない。「Adobe Photoshop Sketch」で描いた稚拙な作品を、アワガミインクジェットペーパー(AIJP)で印刷してみたが、それなりの雰囲気は出た。

鮮やかさを求めるのか、和紙のような味わい深さを求めるのかで、両方を求めるのは難しい。水彩画風の作品を印刷するなら、和紙の味わいのあるアワガミインクジェットペーパー(AIJP)はおすすめだと思う。