カメラ雑誌「月刊カメラマン」「アサヒカメラ」が相次いで休刊になった。
CIPA(カメラ映像機器工業会)のレポートを見ると、デジタルカメラの出荷数量は相変わらず減り続けていて下げ止まる気配がない。今年4月は、新型コロナウイルスの影響もあって前年比で50%以上も減っている。5月には月間台数が50万台を下回りそう。
CIPAデジタルカメラ出荷数量月間推移:http://www.cipa.jp/stats/documents/j/dw-202004.pdf
このままいけば、2020年は年間で1,000万台を下回る恐れが濃厚。
下のPhoto RumorsやCIPAのグラフを見ると、カメラは2010年に全世界で1億2,000万台の出荷台数だった。それが10分の1程度にまで落ち込んできた。年間1,000万台といえば、下のグラフを見ると1977年以前。デジタルカメラが商品化されるよりも前のフイルム(銀塩)カメラの時代。
Photo Rumors : In case you missed them: the latest financial results from the major camera manufacturers
CIPA(CP+2020で配布予定していた資料):http://www.cipa.jp/stats/documents/common/cr1000.pdf
カメラはスマホ機能の一部として一般に普及したが、カメラ専用機は風前の灯火にみえる。
デジカメが発売されてから25年ほどしか経っていないが、出荷台数ではデジカメ発売以前のフイルムカメラ時代の水準以下にまで落ち込んだ。
レンズ一体型(コンデジ)の落ち込みが激しい。
レンズ交換式カメラに限定して見てみると、2005年頃まではカメラ本体は年間数百万台程度の出荷台数。2006年頃から、スマホの出荷台数が増えるに従って、レンズ交換式カメラの出荷台数も増えて、2012年には2,000万台ほどになっている。スマホで写真の魅力を知ったユーザーによって、高画質なレンズ交換式カメラへの需要が高まったと思われる。しかし、2012年をピークにして台数が減ってきた。2013年頃からスマホカメラが高画質化してきたのが原因か。とは言え、昨年2019年でも2005年以前よりはまだ出荷台数が多い。
上記CIPA資料には、以下のようなグラフも載っている。カメラ専用機は全盛期に比べて大きく落ち込んでいるが、カメラと交換レンズを合わせた市場規模は、フイルムカメラ時代に比べればまだ大きい。
デジタルカメラの簡単な歴史年表をつくってみた。(水色は自分のデジカメ購入履歴)(オレンジはフイルムカメラ)
1960年 | オリンパス:世界初の実用的なAEを搭載したカメラ「オートアイ」発売 |
1975年 | コダック:CCD受光センサーによるデジタルカメラ発明 |
1977年 | ミノルタ:世界初のマルチモード一眼レフカメラ「XD」発売 |
1985年 | ミノルタ:世界初のAF一眼カメラ「α-7000」発売 |
1988年 | 富士フイルム:世界初のデジタルカメラ「FUJIX DS-1P」発売 |
1993年 | 富士フイルム:フラッシュメモリが使える「FUJIX DS-200F」を発売 |
1994年 | アップル:「QuickTake 100」発売 |
1995年 | カシオ:民生向けデジタルカメラ「QV-10」発売 |
1995年 | キヤノン:同社初のデジタル一眼レフカメラ「EOS DCS 3」発売 |
1995年 | ニコン:デジタル一眼レフカメラ「E2/E2s」発売 |
1996年 | キヤノン:普及型デジタルカメラ「PowerShot 600」発売 |
1996年 | ソニー:同社初のデジタルカメラ「サイバーショットDSC-F1」発売 |
1996年 | オリンパス:同社初のデジタルカメラ「CAMEDIA C-800L/C-400L」発売 |
1997年 | ミノルタ:同社初のコンパクトデジタルカメラ「DiMAGE V」を発売 |
1997年 | ペンタックス:同社初のデジタルカメラ「EI-C90」を発売 |
1999年 | ニコン:デジタル一眼レフ「D1」発売 |
2000年 | オリンパス:デジタル一眼レフカメラ「CAMEDIA E-10」を発売 |
2000年 | キヤノン:コンパクトデジタルカメラ「IXY DIGITAL」発売 |
2000年 | シャープ:カメラ付き携帯電話「J-SH04」発売 |
2001年 | パナソニック:LUMIXブランド「LUMIX LC5」「LUMIX F7」発売 |
2002年 | デジタルカメラと銀塩カメラの出荷台数が逆転 |
2002年 | フォーサーズ規格提唱 |
2003年 | オリンパス:レンズ交換式デジタル一眼レフカメラ「E-1」を発売 |
2003年 | コニカとミノルタの経営統合 |
2003年 | キヤノン:普及型デジタル一眼レフカメラ「EOS Kiss Digital」発売 |
2003年 | ミノルタ「DiMAGE X20」購入 |
2005年 | リコー:「GRデジタル」発売 |
2004年 | ミノルタ「DiMAGE A1」購入 |
2006年 | コニカミノルタ:カメラから撤退、ソニーが「α」を継承 |
2006年 | ソニー:デジタル一眼に「α100」で参入 |
2006年 | コダック「EasyShare V570」購入 |
2006年 | パナソニック「DMC-FX01」購入 |
2007年 | アップル:初代「iPhone」発売 |
2007年 | パナソニック「DMC-FX30」購入 |
2008年 | アップル:「iPhone 3G」発売 |
2008年 | マイクロフォーサーズ規格策定 |
2008年 | パナソニック:世界初のミラーレス一眼「LUMIX DMC-G1」発売 |
2008年 | ソニー:フルサイズ一眼レフデジタルカメラ「α900」発売 |
2008年 | T-Mobile:Android端末「T-Mobile G1」発表 |
2008年 | パナソニック「DMC-TZ1」購入 |
2009年 | オリンパス:同社初となるマイクロフォーサーズ機「E-P1」を発売 |
2009年 | パナソニック「DMC-TZ7」購入 |
2010年 | ソニー:同社初のミラーレスとなる「NEX-5」「NEX-3」発売 |
2010年 | カメラ全世界の出荷台数ピーク(約1億2,000万台) |
2010年 | ソニー「DSC-HX5V」購入 |
2010年 | ソニー「DSC-TX7」購入 |
2011年 | リコーがペンタックス事業買収 |
2011年 | ニコン:「Nikon 1 J1」「Nikon 1 V1」発売 |
2011年 | 富士フイルム:APS-C「FinePix X100」発売 |
2012年 | キヤノン:ミラーレスカメラ「EOS M」発売 |
2012年 | レンズ交換式カメラ出荷台数ピーク(約2,000万台) |
2013年 | パナソニック:世界最小ミラーレスカメラ「DMC-GM1」発売 |
2013年 | アップル:センサー・レンズ大型化した「iPhone 5s」発売 |
2013年 | パナソニック「DMC-TZ30」購入 |
2015年 | ニコン:2000mm光学83倍の超望遠ズーム「COOLPIX P900」発売 |
2015年 | パナソニック「DMC-GM1」購入 |
2015年 | オリンパス「STYLUS SH-1」購入 |
2016年 | オリンパス:ミラーレス一眼カメラ「OLYMPUS PEN-F」を発売 |
2016年 | ファーウェイ:Android端末「HUAWEI P9」発売 |
2017年 | アップル:「iPhone X」発売 |
2017年 | パナソニック「DMC-TZ85」購入 |
2017年 | オリンパス「Tough TG-5」購入 |
2018年 | カシオ:デジタルカメラ市場からの撤退 |
2018年 | キヤノン:フルサイズミラーレスカメラ「EOS R」発売 |
2018年 | ニコン:フルサイズミラーレスカメラ「Z 7」発売 |
2018年 | ソニー「DSC-HX90V」購入 |
2018年 | ソニー「DSC-RX100M6」購入 |
2019年 | パナソニック「DC-LX100M2」購入 |
2019年 | ソニー「α5100」購入 |
2020年 | キヤノン「PowerShot SX70 HS」購入 |
2020年 | ソニー「DSC-WX800」購入 |
2020年 | キヤノン「EOS M200」購入 |
2021年 | オリンパス → OMデジタルソリューションズ |
2021年 | ソニー「NEX-5R」購入(中古) |
2021年 | キヤノン「G5 X Mark II」購入 |
2021年 | パナソニック「DC-G100」購入 |
2022年 | OM SYSTEM「E-M5 Mark III」購入 |
2022年 | キヤノン「R10」購入 |
2023年 | キヤノン「R50」購入 |
2023年 | ソニー「VLOGCAM ZV-1 II」購入 |