マイクロフォーサーズは、フルサイズやAPS-Cに比べて、コンパクトなカメラができるはず。かつて、マイクロフォーサーズにはLUMIX GM1、GM5というコンパクトかつ高級感のあるカメラが存在した。
しかし、現在販売されている機種本体で比較すると、APS-CのSONYの方が圧倒的に本体が小さい。箱型の最上位機種で大きさを比較してみる。
以下は、「Compare Camera Size」によるサイズ比較写真。
SONY α6600 vs LUMIX DC-GX7MK3(海外版GX9)
レンズに関しては、マイクロフォーサーズの方がコンパクトなものが多い。
しかし、ボケ量に関しては、センサーサイズが小さいのは不利になる。以下、参考サイト。
センサーサイズ比較図
フルサイズ、APS-C、4/3、1インチで、順番に約1段ずつボケ量が減る。フルサイズF1.8と同程度のボケを得ようとすると、APS-CではF1.2、フォーサーズではF0.9のレンズが必要になる。フォーサーズのF1.4は、APS-CでF1.8、フルサイズでF2.8とボケ量は同じ。
フルサイズ | APS-C | APS-C (キヤノン) |
4/3 | 1型 | 1/2.3型 |
---|---|---|---|---|---|
24mm 実焦点距離 |
16mm | 15mm | 12mm | 8.8mm | 4mm |
倍率 | 0.67 | 0.63 | 0.5 | 0.37 | 0.17 |
F1.4 | F0.9 | F0.8 | F0.7 | F0.5 | F0.2 |
F1.8 | F1.2 | F1.1 | F0.9 | F0.6 | F0.3 |
F2.0 | F1.3 | F1.2 | F1.0 | F0.7 | F0.3 |
F2.4 | F1.6 | F1.5 | F1.2 | F0.8 | F0.4 |
F2.8 | F1.8 | F1.7 | F1.4 | F1.0 | F0.4 |
F3.2 | F2.1 | F2.0 | F1.6 | F1.1 | F0.5 |
F3.6 | F2.4 | F2.2 | F1.8 | F1.3 | F0.6 |
F4.0 | F2.6 | F2.5 | F2.0 | F1.4 | F0.6 |
F4.2 | F2.8 | F2.6 | F2.1 | F1.5 | F0.7 |
F4.9 | F3.2 | F3.0 | F2.5 | F1.8 | F0.8 |
F5.6 | F3.7 | F3.5 | F2.8 | F2.0 | F0.9 |
F8.0 | F5.3 | F5.0 | F4.0 | F2.9 | F1.3 |
ポートレート撮影に向いているとされる35mm判換算焦点距離85mm前後の中望遠レンズのボケ量を比較してみる。
ボケ量は、有効口径で決まる。有効口径が大きい方がボケ量が大きい。有効口径の計算式は以下。
・ 有効口径(mm) =[実]焦点距離(mm) ÷ F値
現在販売されているEマウントレンズとマイクロフォーサーズレンズで比較してみる。有効口径の大きい順に並べた。()内は、価格.com初値。
■ [フルサイズ] SONY FE 85mm F1.8 有効口径:47.2
35mm判換算:85mm 最大径x長さ:78x82mm 重量:371g(57,960円)
■ [APS-C] SIGMA 56mm F1.4 (Eマウント用) 有効口径:40.0
35mm判換算:84mm 最大径x長さ:66.5x59.5mm 重量:280g(43,720円)
■ [μ4/3] M.ZUIKO DIGITAL ED 45mm F1.2 PRO 有効口径:37.5
35mm判換算:90mm 最大径x長さ:70x84.9mm 重量:410g(128,021円)
■ [μ4/3] LEICA DG NOCTICRON 42.5mm F1.2 有効口径:35.4
35mm判換算:85mm 最大径x長さ:74x76.8mm 重量:425g(151,199円)
■ [μ4/3] LUMIX G 42.5mm F1.7 ASPH./POWER O.I.S 有効口径:25.0
35mm判換算:85mm 最大径x長さ:55x50mm 重量:130g(38,877円)
■ [μ4/3] M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8 有効口径:25.0
35mm判換算:90mm 最大径x長さ:56x46mm 重量:116g(26,398円)
有効口径で判断すると、マイクロフォーサーズのF1.2で、重量400g以上で10万円以上する高額レンズも、フルサイズやAPS-Cのリーズナブルなレンズのボケ量にはかなわないということが分かる。
画像を使ってボケ量をシミュレーションしてくれるサイト「DOF simulator」を使って比較してみる。
被写体までの距離 3メートル。
被写体までの距離 1.5メートル。
このシミュレーションでも、センサーサイズが大きい方がボケ量には有利なことがわかる。
マイクロフォーサーズでも、ボケ量を考慮して、大きなボケが得られるレンズを探すと、結果的に大きく重いレンズが必要になる。
本体も合わせて、コンパクトでボケ量の大きいカメラを選ぶとなると、SONYのAPS-Cが最適かもしれない。
35mm判換算焦点距離50mm前後のレンズも比較してみる。
■ [フルサイズ] CANON RF50mm F1.8 STM 有効口径:27.8
35mm判換算:50mm 最大径x長さ:69.2x40.5mm 重量:160g
■ [フルサイズ] SONY FE 50mm F1.8 有効口径:27.8
35mm判換算:50mm 最大径x長さ:68.6x59.5mm 重量:186g
■ [APS-C] SONY E 35mm F1.8 OSS 有効口径:19.4
35mm判換算:52.5mm 最大径x長さ:63x45mm 重量:154g
■ [μ4/3] LEICA DG SUMMILUX 25mm F1.4 II ASPH. 有効口径:17.8
35mm判換算:50mm 最大径x長さ:63x54.5mm 重量:205g
■ [μ4/3] LUMIX G 25mm F1.7 ASPH. 有効口径:14.7
35mm判換算:50mm 最大径x長さ:60.8x52mm 重量:125g